横浜の海

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横浜の海を見ている。
横浜は夜の海が似合う。山下公園を歩くのも楽しい。誰かと一緒ならもっと楽しいのかな。いや、緊張するから一人でいいかも。
今日は出版記念パーティーが横浜であった。原稿もなくトチらずに話せたのでほっとした。笑いをとるつもりもなく笑われて、リラックスできた。
横浜はとても素敵な港街だ。緊張して余り食べなかったっので、一人になった後は夜景を見た後、蟹風船という店に寄って、ズワイガニの握り鮨を食べ、モスコミュールを飲んだ。店に一人でいるのは私だけ。ほとんどが二人。でも一人のこの孤独、なかなか好きだ。
私って孤独だーと、なぜか酔える。


カメレオン

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久しぶりに留学生と上野動物園に行った。
パンダは寝たまま動かないし、大好きなライオンもゴリラも、雨のため宿舎に入って出てこない。
それでもペンギンは雨の中元気だった。
雨だというのに沢山の人出でちょっと驚いた。外国からの観光客も多かった。
カメレオンが眠そうにしていたので写真を撮った。カメレオンは窓越しに私に言った。「今日も、色んな顔立ちの動物が来たよ。人間という動物だが、見ていると眠くなる。私のような緑色の動物や、青や赤のカエルみたいなのがいるわけじゃなし、四足でもなく、動きも同じだし退屈してしまう」と。私は「なるほど」と感心したのだが、カメレオンは「あんたもその一人じゃねえの」と、かったるそうに言って完全に眠ってしまった。


失踪と疾走

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鹿児島の知人が、弟を捜して上京してきた。
4年前に、母親の危篤時にひょっこり現れた時を最後に音信不通になったのだそう。携帯も繋がらない。
「最後の会話は?」
「俺を忘れてくれ。俺はどこかでのたれ死ぬ運命だから」
「お前、ウワサじゃ、中国の女と放浪してるそうじゃないか」
「中国人じゃない!」
「じゃ韓国人か?」
「、、、」
無言のまま立ち去ったから図星なのだろうと兄は言った。アイツは子供のころからフツーじゃなかった、と兄は言うが、そうは見えなかった。兄弟の父親は校長先生だ。弟が大学生の時に1度紹介されただけだが、身長は1、8メートル以上ありナナハンに乗っていた。俳優みたいな顔立ちをしていて、こち亀にでてくる本田くんみたいにナナハンがないとずっと無口だった。1月1日に突然電話をかけてきて「俺、今日の新年会で一曲歌わなくちゃならなくて、歌は苦手なので聞いてもらってもいいですか」と歌い出した。笑い転げるほど音が外れていた。ふざけているわけじゃないので、余計におかしかった。
「ダメですかね」と聞くので、「絶対にウケるよ。私も音痴だけど、みんな笑ってくれるから歌ってよかったって思うよ」
「じゃ、気にしないで歌います!」
元気な声で電話を切った。大学を卒業して公務員になったと聞いていたけど、辞めて失踪してるとは。兄の方はどうしょうもない弟だ、と舌打ちするけれど、失踪も疾走もその人の人生だから。人に迷惑をかけているわけでもない。他の人にはわからない葛藤があったりするものです。
もしも電話が来たら、また超音痴な唄を聞いて笑い合いたい。



馬里邑れいの本

馬里邑れいのオフィシャルブログ。馬里邑れいのプロフィールと日記、馬里邑れいによるオリジナル小説の投稿など。

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最後に更新した日:2017/10/16

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