スズメバチの巣が

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「元気ですか。何だかすごくれいちゃんに会いたくて。明日昼に家に来ない。カレー作って待ってるから」と1年前まで定食屋さんを営んでいた女性から電話が来た。
「行くよ、」と即答した。嬉しいではないの。80才になる元店主に思い出してもらえるなんて。で、次の日の昼にケーキを持参して行った。
「ケーキより貴女の書いた本がほしかったわ」と元店主は笑った。カレーライスだけじゃなく、天ぷらもカボチャの煮物、それに栗の甘露煮まであって、完食した私はお腹がはち切れそうだ。
「れいちゃん、実はね、、」と元店主は悩みを話始めた。庭続きにある広い店は現在鰻屋さんに貸しているのだが、借りる方が内装に一千万かけたそうで 、その元が取れるかどうか心配だ、と言うのだ。「相手がかけたのだからいいんじゃない」と私は笑いながら答えた。家賃貰ってる以上、気が気じゃないという。鰻の値段は並みで3000円に消費税プラスと、この辺では高い。うーん、食べたいけど一人でいつか、だなー。母まで連れて来れねー。いつもは二人で4000円消費税込みの店だもの。
定食屋の元店主は80才でも何でもバリバリ一人で出来るから、京都の息子夫妻の元に行っても3ヶ月で戻ってきて以前のように独り暮らしだ。「だって年寄り扱いするんだもの。バカにしてる」と怒っている。
元店主は貧乏性と言うか、くるくる動いてないと気がすまないのだ。お金持ちなのだからもっと優雅に、と思うが性分なのだろう。写真の直径60センチはある大スズメバチの巣を五万円で買ったりする。でも、「れいちゃん、本当に悪いんだけど、今日スーパーの広告入ったの。どうしても欲しいものがあるから車に乗せて行ってくれる」とスーパーで買ったのはペットボトル入りのトマトジュースでした。「いつもは一本138円だけど、今日は108円なの」と、店にあるだけ全部買ったのだ。その数26本。に重いのなんのって。「毎日これにお酢を入れて飲んでるの」ってなんだかびっくらした。五万円の大スズメバチの巣と108円のトマトジュースのペットボトル。面白い差だった。
「れいちゃん、また遊びに来てくれる」と言うので、「はい、トマトジュースが安売りの時はアッシーになりますから、気軽に言ってください」と手をふると、私の車が見えなくなるまで手をふってくれた。


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