不良少年の恋

15081630880710.jpg


ノンフィクション(実話)ばかり立て続けに書いていると、無性に小説が書きたくなる。で、身近にある実話をもとに温めていた小説を書き始めた。
「不良少年の恋」の書き出しを少し…

       一           
【 明日、親父が帰って来るのか… 隆一は仰向けになったまま天井に呟いた。煤だらけの汚ねえ天井だな、いや天井だけじゃなく全てが汚ねえ家だなと、苦笑した。六畳と四畳半の畳部屋に台所と風呂がついているだけの平屋だ。親父の亡くなった両親が住んでいた家だ。

 隆一は十六歳になっていたが、高校には半年も行かなかった。別に高校などに未練はなかったからすんなりやめられた。高校の方も安堵しているはずだ。喧嘩三昧の日々に学校などちゃんちゃらおかしい。

 親父は傷害罪で年中ムショの世話になっている。元プロボクサーの端くれだった親父は今は闇金の取り立て屋だ。用心棒というやつで、取り立てに行った際に金を用意できていないと相手を威嚇しているうちに手がでてしまうのだ。訴えられれば裁判になり、ムショ暮らしが待っていた。今回も一年の刑期を終えて明日出てくる。 

 迎えには行かない。

 携帯電話から沢田研二の”時の過行くままに”が流れた。夏美からの着信音だ。親父が大の沢田研二ファンでいつのまにか隆一も覚えた。ちなみに親父の着信音は”勝手にしやがれ”だ。いかつい顔の親父と沢田研二が結びつかなくて笑える。

「なんだ」

 隆一は無造作に夏美に言った。「逢いたい…」と夏美のくぐもるような声が隆一の耳に入った。

「今日はいい」

 隆一は一言で電源を切った。知り合ってまだ二週間だ。出会った夜に抱いて、次の日も、その次の日も。こいつには感情入っちゃうかな…と期待したが、もう逢いたい気持ちは褪せていた。

 女は一週間もすれば飽きる。何十人倒しただろう。もう名前も覚えちゃいない。ちょいの間本能が満たされるだけで、心を惑わせる女などいなかった。

 両親は隆一が小学三年の時に離婚した。妹と一緒に母親について行ったが、隆一が中学一年の時に母親は再婚した。その男と隆一は相性が悪かった。というより、隆一はムショを出たり入ったりしている親父でも親父が一番好きだった。理由はない。だから中二の時に母親の元を去った。】

 

こんな風に書き出していって、後でどんどん直して小説にします。


関連する記事
コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

馬里邑れいの本

馬里邑れいのオフィシャルブログ。馬里邑れいのプロフィールと日記、馬里邑れいによるオリジナル小説の投稿など。

profile


書いた記事数:323
最後に更新した日:2018/07/15

selected entries

categories

archives

recent comment

search this site.

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< July 2018 >>

others

mobile

qrcode