喫茶店で

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女友達と喫茶店で珈琲を飲んでいると、隣のテーブルの男女が言い争いを始めた。
「今の電話、何?、女の人からだよね」
「うん、オレは隠し事嫌だから正直に話すけど、飲み屋に来ないかと誘われたから、断った」
「私と居るから飲み屋に行けないわけ?じゃ一緒じゃなければ行ってたの?」
「ううん、Mちゃんと付き合い始めたのだもの、もう、一人じゃ行かない。1週間に4日はMちゃんと会っているのだもの、他の人とは会えないよ」
「1週間は7日だよ、3日もあいてるじゃん」
私は笑いをこらえた。女友達はお手上げのポーズを作っておどけた。
「私たち付き合って三月になるんだよ。どう思ってるのよ」
「今はMちゃんが誰よりも一番だよ」
「今は?ってそれどういうことよ!今だけなの!」
言葉尻を取って責めてくる。男は困って、
「じゃ、どう言えばいいの?」
「自分で考えてよ!」

いつまでも、とか一生、と言わせたいのだろう。でも、一生とかの言葉は簡単過ぎてなんだかなー、と思う。今は、と言った男は正直者だ。女友達は小さい声で「惚れてるのはわかるけど、めんどくさいね」と言った。
「だいたいあんたの日常はいい加減過ぎる。貯金もしないでパチンコはするし」
「これからはイチパチにするよ、、、」
「なぜ、やめると言わないの!」
「、、、」
ギャンブルぐらいいいではないの、、、とギャンブル好きの私は思う。
彼女のほうが惚れているように見えるが、攻撃しているのも彼女だ。責めは一時間にも及び、隣席の私たちも向学のため聞き入った。
やっと仲直りし、立ち上がった彼女は「うるさくしてすみません。珈琲代です」と千円札を私たちのテーブルの上に置いたのだ。
「大丈夫ですから、」と慌てて返そうとしたが、二人は早足で去った。男の方もニコッと笑った。
恋する人は喧嘩しても幸せなんだね。ご馳走さまでした。


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