日記

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整頓しようと、まずひと部屋を片付けることにした。捨てる物ばかりで困るが、面白い原稿もでてきて読みふけるから、なかなかはかどらない。
と、15年前の日記がでてきた。まあなんと可憐で痛々しいのでしょう。これが本当に私か?まるで高校生並みの感性だ。で三年分読んだ所で複雑な気分になったので車を30分走らせ、喫茶店に行った。
ママは「三月ぶりだねー」と歓迎してくれた。ここのママは本をよく読むが浮き世離れしていて面白い。「れいちゃんみたいな人と話ができると私ほっとするの。だって私のこと変わり者扱いしないし、よく話を聞いてくれるし」と言う。ママはお手伝いさんもいる家庭で育っているからフツーとズレている。
哲学から女流作家、歴史とよく知っていて、私が質問すると、感想もいれてよく話してくれる。客がいても私の隣の席を陣取って話す。二時間はあっという間に過ぎて私はにこやかに帰途につく。

でも帰ってきてからもまた日記を読んでしまう。とても自分とは思えない書き方に首を傾げてしまう。


それぞれの店

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女性が一人できりもりしている居酒屋やスナックに行くことがある。で、ママの性格も客層もまるで違うのが面白い。A屋のママは健康で胃腸が丈夫だ。ビールをグイグイ飲み、日本酒もしこたま飲んで食べても毎日元気だ。客は社長と名のつく人が多い。女性客も経営者が多い。B屋のママは陰口が得意だ。趣味だろうか。客は男女半々だろうか。C屋のママは暇な時は優しいが店が忙しくなると威張りだして、女性に冷たくなる。客は何だか怪しい人が多い。いい加減に生きていそうな、(私もか?)。D屋のママは気分屋だ。いいときは優しいしよくしゃべるが、機嫌の悪い日はムスッとしたままだ。
E屋のママは頭がよくて話上手だが、何回か凄い目付きで客を睨んでいたのを目撃したので怖い。
F屋のママは天然でボーとしているが、料理は一番美味しい。客は若年寄みたいな人が多い。
それぞれ違った雰囲気にほっとしたり疲れたり。


スズメバチの巣が

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「元気ですか。何だかすごくれいちゃんに会いたくて。明日昼に家に来ない。カレー作って待ってるから」と1年前まで定食屋さんを営んでいた女性から電話が来た。
「行くよ、」と即答した。嬉しいではないの。80才になる元店主に思い出してもらえるなんて。で、次の日の昼にケーキを持参して行った。
「ケーキより貴女の書いた本がほしかったわ」と元店主は笑った。カレーライスだけじゃなく、天ぷらもカボチャの煮物、それに栗の甘露煮まであって、完食した私はお腹がはち切れそうだ。
「れいちゃん、実はね、、」と元店主は悩みを話始めた。庭続きにある広い店は現在鰻屋さんに貸しているのだが、借りる方が内装に一千万かけたそうで 、その元が取れるかどうか心配だ、と言うのだ。「相手がかけたのだからいいんじゃない」と私は笑いながら答えた。家賃貰ってる以上、気が気じゃないという。鰻の値段は並みで3000円に消費税プラスと、この辺では高い。うーん、食べたいけど一人でいつか、だなー。母まで連れて来れねー。いつもは二人で4000円消費税込みの店だもの。
定食屋の元店主は80才でも何でもバリバリ一人で出来るから、京都の息子夫妻の元に行っても3ヶ月で戻ってきて以前のように独り暮らしだ。「だって年寄り扱いするんだもの。バカにしてる」と怒っている。
元店主は貧乏性と言うか、くるくる動いてないと気がすまないのだ。お金持ちなのだからもっと優雅に、と思うが性分なのだろう。写真の直径60センチはある大スズメバチの巣を五万円で買ったりする。でも、「れいちゃん、本当に悪いんだけど、今日スーパーの広告入ったの。どうしても欲しいものがあるから車に乗せて行ってくれる」とスーパーで買ったのはペットボトル入りのトマトジュースでした。「いつもは一本138円だけど、今日は108円なの」と、店にあるだけ全部買ったのだ。その数26本。に重いのなんのって。「毎日これにお酢を入れて飲んでるの」ってなんだかびっくらした。五万円の大スズメバチの巣と108円のトマトジュースのペットボトル。面白い差だった。
「れいちゃん、また遊びに来てくれる」と言うので、「はい、トマトジュースが安売りの時はアッシーになりますから、気軽に言ってください」と手をふると、私の車が見えなくなるまで手をふってくれた。



馬里邑れいの本

馬里邑れいのオフィシャルブログ。馬里邑れいのプロフィールと日記、馬里邑れいによるオリジナル小説の投稿など。

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最後に更新した日:2018/11/11

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