人って面白い

houses_by_the_sea.jpg


そう言うわけで、嫌がるFちゃんを説得し、Yさん、私と3人で食事したのであります。洒落たレストランは祭日なので混んでいました。で、15分ぐらい待って席に着きました。その間Yさんはひとりでしゃべっていました。Fちゃんはムッとしたままでした。
Y「先生は変わってないわね。Fちゃんは変わったわね」
私「そうですか、」
F「、、、」ムスッとしたまま無言。
Y「私、もう長いことダンスを習っていて、仕事とダンス、家事、庭の手入れとすごく大変なの」(以前と同じ品のいい話し方だ)
そのあとも全てに力を抜かずにやることがいかに大変か延々としゃべる。するとFちゃんが、
「本当に大変な人は大変を連呼などしない。黙ってる」とピシャリと言ったのだ。ワッ、、Yさん傷ついたのでは、、とドキッとしたがにこやかにこうかわした。
Y「そうね、そう言うひともいるかも知れないけど、私は本当に大変なの。ギリギリまで頑張ってしまうの」とどこふく風でにこやかに返す。
私「私とまるで反対なのですね。私はいかに手を抜くかです。大切な時のためにエネルギーを取っておかないと、」Fちゃんはこくりと頷いたが、Yさんは柔らかな口調で手抜きがいかに自分を堕落させているかまくし立てた。
私「で、Yさんはどんな時に幸せにを感じるのですか?」
Y「ダンスのレッスンを受けているとき。大会よりもレッスンが好きなの」けれどもその世界は上に行くためにドロドロしたし烈な戦いがあるのだと言う。またひとり舞台で話始める。そんな話はFちゃんと私にはまったく興味がないことなどまるで考えない。だめだこりゃ。FちゃんとYさんの仲直りは無理だ。
Y「で、先生はどんな時に幸せを感じるの?」(おおっ、質問したぞ)
私「仕事しようとパソコン持って貸部屋に行ったけど、駐車場で眠くなってちょっとのつもりで車の中で眠ったら二時間も眠りこけてしまった時」なんか得した気持ちになるのだ。けどYさんは、
Y「そんなの私なら無駄って思うわ!」と返した。そんな風に言われても私は別に何とも思わなかったが、Fちゃんが反論した。
F「無駄?じゃないでしょ。自分の体が休みを欲しているのだから。休みを取った後の方が仕事にも集中できるでしょ」その意見は当確のような気がするが、
Y「もったいない時間だわ。私30分あったら動きまわる。二時間も無駄寝なんかしない」私はあらら、なんとまあ、と笑いたくなったが、Fちゃんは駄目だった。
F「だったら忙し過ぎるだの大変だの辛いだのと、愚痴ばっかり言うんじゃないよ」と怖い顔でいい放ったのだ。こりゃもうお終いだーと、心臓がブルッとした。
Y「愚痴じゃないわよ。私を知ってもらいたくて。だってすごい久しぶりに会ったのだもの」とキツイ目になったところで、
F「変わってないね」でFちゃんは席を立ち、エンドでした。YさんとFちゃんはもう二度と会うことはないな、、。
帰りはなぜか居眠り運転しそうになった。家に着いてすぐFちゃんからラインがきた。
「疲れたでしょ。よーく話聞いてあげてたものね。あなたは優しいんだね。感心したよ」って、疲れもしたけど発見もあって面白いひと時だった。Yさん、変わってねえな、、と笑えたし、Fちゃんバシッと言ってカッコいい!と見直しちゃたよ。私はビシッと言うことはできない。うまい返しが寸時に見つからない。こういう場面ではトロイのだ。


興味あり

DSC_0183.JPG


「ね、3人で一度会ってみようか、」とFちゃんが言った。「いいよ、面白そう」と私は言った。途端にFちゃんは嫌な顔をし、「本当に会うつもり?」と表情を曇らせた。「うん、変わってないか変わったか、話してみたい」「変わってないと思う。人の性格はそうかわるものじゃない」と言い出しっぺは撤回しようとするがやはり会いたい。10年以上会ってない人だ。年賀状だけは来ていたので、私が電話してみた。「まあ、お久しぶりですね、先生」(私の教え子の母親でもあり、その昔は3人で食事をよくする仲だった)けれどFちゃんは彼女の高圧的な態度にしだいに疲れはて、友達をやめたのだ。彼女は育ちがよくて品のある美人で言葉もきれいだが、甘やかされて育ったのか自分中心の性格だ。キツくはないのだが自分を曲げないし時折皮肉も言う。例えば「先生のとこにこの白いバラは似合わないわ」と言って塾の外に咲いていたバラを優しい表情で切って持っていったりする。このう、私はバラが一番好きだから地植えしたんだぞ、と腹が立つが月謝を貰っている身なので「はあ、どうぞ、、」と言ってしまうのだった。そんな調子なので、いつかFちゃんとぶつかるだろうな、とは思っていた。「れいちゃんは平和主義だけど私はそうはいかない!」とFちゃんはとうとう切れた。その後なんとか仲直りさせようと、3人で食事したのだが、Fちゃんは食事の席で彼女と一言もしゃべらなかった。それはそれで凄いと思った。
「今頃3人であうってのは、れいちゃんはさ、どうせ物書き根性でどんな会話がかわされるのかとても興味があるんでしょ」
とFちゃんは渋い表情だ。うん正解だよ。Fちゃんがまた無言を貫いてしまうのか、気品とプライドのある彼女はどう対処するのか興味津々。


世捨て人

DSC_0181.JPG


アメリカでベストセラーになった「ある世捨て人の物語」を読んでみた。なかなか味わい深い内容だった。ジャーナリストが書いた実話なのだが、20歳から27年間誰にも会わずに森で暮らした男の話だ。男は別荘から食料やラジオ、そして本を盗み読むことに時間を費やした。その読書量は凄いもので、哲学者ではソクラテスの感性がもっとも好きだと言う。寂しさは全く感じることなく他に人間がいないことはこの上なく快適だった、と話す。窃盗で刑務所に入ってからは人の中で暮らさなければならず気が狂いそうだと言った。
彼にとって孤独は究極の幸せなのだ。感性が鋭い天才的な人なのだろう。男の人の中にはこういう感性の人は希にいる気がする。羨ましい。



馬里邑れいの本

馬里邑れいのオフィシャルブログ。馬里邑れいのプロフィールと日記、馬里邑れいによるオリジナル小説の投稿など。

profile


書いた記事数:332
最後に更新した日:2018/09/20

selected entries

categories

archives

recent comment

search this site.

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

others

mobile

qrcode